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藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 宇都野 穣; 吉田 賢市*; 足立 竜也*; Algora, A.*; Csatls, M.*; Deaven, J. M.*; Estevez-Aguado, E.*; Guess, C. J.*; et al.
Physical Review C, 100(3), p.034618_1 - 034618_13, 2019/09
被引用回数:12 パーセンタイル:77.09(Physics, Nuclear)大阪大学のリングサイクロトロンにてO(He,)F反応実験を行い、その荷電交換反応の断面積から、のガモフテラー遷移分布の励起エネルギー分布を測定した。その結果、Fの基底状態へのが3.1と非常に大きく、その他の励起状態への遷移強度は小さいことがわかった。この実験結果を大規模殻模型計算や乱雑位相近似計算と比較し、基底状態への強い遷移が理論計算によってよく説明されることがわかった。
小林 孝徳*; 松岡 雷士*; 横山 啓一
Computational and Theoretical Chemistry, 1150, p.40 - 48, 2019/02
被引用回数:1 パーセンタイル:2.04(Chemistry, Physical)セシウムの同位体分離法の開発に関連して、ヨウ化セシウム分子とセシウム原子の衝突によるセシウム交換反応の反応速度定数を量子化学計算及び擬古典トラジェクトリー計算により評価した。その結果、3.610cm/molecule/sという大きな値が得られた。また、わずかながら正の温度依存性を持つことが示され、長距離相互作用による引力ポテンシャルと解離プロセスの影響がその原因と考えられた。
小林 孝徳*; 松岡 雷士*; 横山 啓一
日本エネルギー学会誌, 96(10), p.441 - 444, 2017/10
セシウム交換反応CsI (v=0, j=0) + Cs Cs + ICsの反応断面積を調べるため、ab initio分子軌道法計算により作成したポテンシャルエネルギー面を用いた準古典的トラジェクトリー計算を行った。ポテンシャルエネルギー面から反応中間体CsIの生成に入口障壁がないこと、2つのCsI結合が等価であることが明らかになった。トラジェクトリー計算により反応断面積は衝突エネルギーの増加と共に単調増加することが分かった。CsI分子の初期内部状態がv=0, j=0の場合の反応速度定数は500-1200Kの温度範囲で310cm molecules程度と見積もられ、わずかながら負の温度依存性が見られた。
小林 孝徳; 橋本 雅史; 横山 啓一
JAEA-Research 2015-014, 7 Pages, 2015/12
セシウム交換反応CsI + Cs' Cs + ICs'の反応性を議論するため、中間体CsIの安定化エネルギー、構造、結合形態、CsとCsIの二体衝突ポテンシャル曲面をM06/def2-TZVPPD密度汎関数法を用いて計算した。その結果CsIの生成は入口障壁なしで進むことがわかった。また、2つのCsI結合は、化学的に等価になることがわかった。これらの結果は、CsI + Cs' Cs + ICs'によるセシウム交換反応の速度が衝突律速に近いことを示唆している。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1436 - 1440, 2002/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.15(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではリチウムシリケイトからのトリチウム放出に関する基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いてリチウムシリケイトとAl添加リチウムシリケイトの表面水酸基とHの同位体交換反応について調べた。計算はGaussian98を用いてHF/3-21G, HF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。HSiOHをシリケイトガラスにおける表面水酸基のモデルとして、HSi(OH)Al(H)OSiH はAlを含んでいるシリカガラスの表面水酸基のモデルとして選んだ。各クラスターとH2の交換反応に対して計算されたHF/6-31G**活性化エネルギーはそれぞれ88.1と42.7kcal/molである。活性化エネルギーのこのような減少はAl原子の相互作用に起因した表面水酸基の電荷の変化と関連している。各原子の電荷をMulliken population解析によって求めた。その結果、表面水素原子のイオン性が表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用によって増加していた。他の理論レベルにおいても同様の結果が得られた。得られた計算結果はAl原子の相互作用によってリチウムシリケイトの表面水酸基とHの交換反応がより低い温度で行われることを示唆している。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 302(2-3), p.165 - 174, 2002/04
被引用回数:3 パーセンタイル:23.41(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、リチウムシリケイト表面に水酸基の形で存在するトリチウムの放出過程を理解するため、シリカ表面に孤立して存在する水酸基(-OH)と水分子の相互作用と水素放出反応過程について非経験的分子軌道計算により調べた。表面水酸基からの水素放出反応として表面水酸基と水分子の間で起る水素交換反応と水酸基交換反応について検討を行った。その結果、水素放出はシリカ表面水酸基のSi-O結合の切断による水酸基交換反応で起ることが分かった。この水酸基交換反応はプロトン供与体として働く水分子と表面水酸基の複合体において進行する。したがって、シリカ表面からのトリチウム放出は水分子と表面水酸基の間における水素交換反応ではなく、それらの間での水酸基交換反応で進行するものと考えられる。また、この反応の反応エネルギー障壁は24.4kcal/molと計算された。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*
Journal of Nuclear Materials, 297(1), p.69 - 76, 2001/07
被引用回数:9 パーセンタイル:56.08(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではシリカ,シリケイト化合物などの1対の表面水酸基がHO分子を生成して脱離する反応プロセスについて基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いて調べた。特に、表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用がこの反応に及ぼす影響に関して検討を行った。計算はGaussian98を用いてHF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。表面水酸基におけるHO分子の生成・脱離反応経路に関するエネルギープロフィールを計算により求めた。その結果、表面水酸基に対するAl(OH)ユニットの相互作用によってHO分子の生成や脱離に必要な活性化エネルギーは低下することがわかった。この活性化エネルギーの低下はAl(OH)ユニットの表面水酸基への相互作用による構造変数と電荷分布の変化と密接に関係している。
吉井 賢資
Journal of Alloys and Compounds, 305(1-2), p.72 - 75, 2000/06
被引用回数:13 パーセンタイル:61.6(Chemistry, Physical)Aサイト欠損ペロブスカイト酸化物CeTiOを合成した。真空中で合成したため、試料には1.5パーセント程度の酸素欠損があることがわかった。結晶構造は斜方晶Pmmmで、格子定数はa=3.8815Å,b=3.8621Å,c=7.7497Åである。本構造では、c軸方向にCeイオンの欠損が整列して単位格子が倍周期となっている。磁化の温度変化からは、明瞭な磁気転移は見いだせない。逆帯磁率プロットから、約60K以上ではキュリーワイス的で、セリウム一個あたりのモーメントは2.54ボーア磁子で、自由イオンCeのそれに近い。このことは、出発物質として4+のCeイオンを含むCeOを使用しているが、反応によってCeが3+になっていることを示唆する。60K以下ではキュリーワイスからのずれが見られた。2Kで測定した磁化-磁場曲線は常磁性的な直線ではなく、わずかながら屈曲する傾向が見られた。
Sherrill, B. M.*; 秋宗 秀俊; Austin, S. M.*; Bazin, D.*; Van den Berg, A. M.*; Berg, G. P. A.*; Caggiano, J.*; 大東 出*; 藤村 寿子*; 藤田 佳孝*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 432(2-3), p.299 - 304, 1999/08
被引用回数:39 パーセンタイル:91.86(Instruments & Instrumentation)二次トリチウムビームが560MeV粒子の分裂反応から生成され、中間エネルギー領域での(t,He)反応に用いられた。実験は国立超伝導サイクロトロン施設で行われた。分散整合技術とRay-tracingを用いて350MeV(t,He)反応で分解能160keVが達成された。この結果は中間エネルギー領域で不安定核ビームを用いても(n,p)タイプの核反応を用いた核構造の研究が開始できることを意味している。
西川 正史*; 馬場 篤史*; 河村 繕範; 西 正孝
JAERI-Conf 98-006, p.170 - 182, 1998/03
核融合炉ブランケットのトリチウム増殖材であるリチウムセラミックスからのトリチウム放出挙動は、まだ完全に理解されていない。ブランケットスウィープガスにHあるいはD2を添加する計画があるが、気相中水素同位体と増殖材表面のトリチウムとの交換反応速度も定量されていない。本研究では、この交換反応速度を実験的に求めた。また、交換反応がブランケットのトリチウムインベントリーに与える影響についても検討した。
河村 繕範; 榎枝 幹男; 奥野 健二
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.713 - 721, 1998/00
被引用回数:8 パーセンタイル:57.28(Nuclear Science & Technology)固体増殖ブランケット内で増殖されたトリチウムの放出挙動を把握するためには、各移動過程でのトリチウムの移動速度とインベントリーを求める必要がある。特に表面反応の影響が無視できないことが指摘されており、筆者らは、水分吸脱着挙動等の系統的調査を行ってきたが、今回は、水素添加スイップガスを用いた際に生じる同位体交換反応に着目し、リチウムジルコナート充填層を用いたH-D系交換反応実験を行った。交換反応は気相水素-表面吸着水間の交換反応が律速であることがわかり、データより反応速度定数及び平衡定数を得た。これにより増殖トリチウムを回収する際にスイープガスに添加すべき水素濃度の算出が可能である。また、物質移動抵抗を水分脱着と比較し、条件によっては、水素を添加しても効果がみられない場合があることを指摘した。
西川 正史*; 馬場 淳史*; 大土井 智*; 河村 繕範
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.615 - 625, 1998/00
被引用回数:14 パーセンタイル:73.06(Nuclear Science & Technology)酸化リチウム、リチウムアルミネート、リチウムシリケート、リチウムジルコネートは、固体増殖ブランケットの候補材であるが、トリチウムの放出挙動は完全に把握できていない。多くのin-situ放出実験が行われ、トリチウムの結晶内拡散律速としてまとめられているが、その結果は一致していない。これは、表面反応、照射欠陥、システム効果の評価が不十分なためである。今回、定常状態でのトリチウム結晶内拡散、トリチウム水の吸収、吸着、二種類の同位体交換反応が、トリチウムインベントリーに与える影響を検討し、これまでに行われた、in-situ実験結果との比較を行った。その結果、パージガス中にある程度の水分が存在していると仮定すると、in-situ実験結果を良く表現できることがわかった。
伊藤 琳典*; 多幡 達夫*; 白井 稔三; R.A.Phaneuf*
JAERI-Data/Code 96-024, 62 Pages, 1996/07
H,H,Heの原子及びイオンと原子分子との衝突における断面積の推奨値に対して解析的表式をあてはめた。対象にした衝突過程は、解離及び粒子交換反応である。解析的表式として、推奨値の内外挿ができるようにGreen and McNealの経験式を変形したものを採用した。
河村 繕範; 西川 正史*; 白石 朋史*; 奥野 健二
Journal of Nuclear Materials, 230, p.287 - 294, 1996/00
被引用回数:43 パーセンタイル:94.61(Materials Science, Multidisciplinary)リチウムセラミックブランケット内で増殖されたトリチウムを回収する際、スウィープガスに水素を添加し、同位体交換反応を用いて回収する方法が提案されている。ところが酸化リチウムに高温で水素を接触させると水素が酸化されて水になるという現象が九州大の西川らにより報告された。それによると発生水分量は、ブランケット内のトリチウム物質収支に影響を与えかねない量である。そこで今回、トリチウム増殖材候補である酸化リチウム、リチウムアルミネート、リチウムシリケート、リチウムジルコネートを試料として用い、水素と接触させた際の発生水分量、反応速度を定量した。本報告では、これらの実験結果について発表する。
田中 ひかる*
PNC TJ1211 93-010, 56 Pages, 1993/02
緩衝材による地下水の化学的緩衝作用及び核種の移行挙動は、いずれも高レベル放射性廃棄物処分施設の性能評価研究分野における重要な研究対象である。今年度は、化学的緩衝作用についてスメクタイトを固溶体として捉えたモデル開発のためのデータ取得に着手した。また、核種の移行挙動については、モデル確証のためのデータ取得、ベントナイトの基礎的特性の把握を行った。結果は以下の通りである。1.固溶体モデル開発のためのデータ取得(1)化学的緩衝性特性試験イオン交換反応について、平衡定数、固相を含めた物質収支及びpHの影響の面から検討を行い、試験手法の改善及び反応におけるH+の考慮の必要性が明らかになった。(2)スメクタイトの骨格の溶解速度に関する試験スメクタイトをモンモリロナイト、バイデライト及びノントロナイトの固溶体と考え、Mg、Fe、Alの浸出指標としての適用性を検討した。pH中性付近における3か月、90までの浸出では、これら元素の有意な浸出は観察されなかった。2.ベントナイトの空隙構造に関する検討(1)クニゲルV1での定常拡散試験Tc、Cs、Raについて定常拡散試験を行い、実効拡散係数を測定した。TcとCsについては電気二重層理論からの推定と一致したが、Raでは異なる傾向が観察された。(2)クニゲルV1のゼータ電位測定昨年度行ったクニピアでの表面電位測定値と同様の値が得られた。また、電解質のタイプを厳密に扱った場合と1:1型で近似した場合とで得られる表面電位がほぼ一致することが確認された。(3)実効拡散係数の圧密方向依存性の検討クニゲルV1では圧密方向依存性は認められないが、クニピアでは圧密方向と同じ方向で小さな拡散係数が得られた。この結果は、SEM観察により粒子の微視的配向で説明されることが確認された。
油井 三和; 柴田 雅博; 牧野 仁史; 佐々木 康雄; 梅木 博之; 石黒 勝彦; 石川 博久
PNC TN8410 92-162, 140 Pages, 1992/09
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価において、ガラス固化体からの核種の溶出や溶解度等の評価を行うためには、人工バリアに侵入した地下水の化学的特性がガラス固化体に到達する迄にどのように変化するかを把握することが重要である。本報告書は、ニアフィールドにおける地下水の化学的特性の変化を把握するため、地下水と人工バリア材料との化学的相互作用に関するモデル化を行ったものである。はじめに、ニアフィールドで考えられる地下水と人工バリア材料との反応について、モデル化の考え方の整理を行った。地下水と人工バリア材料との相互作用のうち、ベントナイトの化学的緩衝性については、ベントナイト-水反応試験の結果から、モンモリロナイトのイオン交換反応および随伴鉱物の溶解反応を考慮した平衡モデルを用いることで、概ね説明できることを明らかにした。また、オーバーパック-地下水の相互作用では、鉄の安定な腐食生成物との平衡反応を考えることとした。次に、このモデルを用いて、性能評価上設定した5種類の地下水に対し、処分環境下での地下水-ペントナイト-オーバーパックの相互作用について解析を行い、ニアフィールドにおける地下水の化学的特性の変化を明らかにした。その結果、化学的特性の変化の程度は人工バリアに浸入する地下水組成に依存するものの、地下水は人工バリア材料との化学的相互作用により緩衝作用を受け、もとの地下水特性と比べ、より高PH側・低Eh側にシフトするとともに、これら性能評価上重要な地下水特性は、もとの地下水特性の幅と比べより小さくなることが明らかになった。またベントナイト及びオーバーパックによる地下水のPh、Ehの緩衝作用について、その綾衛性維持時間に関する予察的検討も実施した。
竹下 英文; 吉田 浩; 倉沢 利昌; 松井 智明; 渡辺 斉
JAERI-M 86-130, 20 Pages, 1986/09
本報告書は、酸化リチウムを用いて行なわれた照射下トリチウム放出試験(VOM-21M)のうち、水素同位体分離ガスクロによる放出トリチウムの同位体組成の測定結果および解析結果について纏めたものである。VOM-2Mでのトリチウム生成速度は約300Ci/minであった。この生成速度は、約1ppmのスィ-プガス中トリチウム濃度(T或いはTOとして)に相当する。スィ-プガスへ添加する水素には重水素を用い、濃度としては、10,100及び1000ppmの3種類を選んだ。実験結果からスィ-プガスに添加した水素がトリチウム放出を促進するのは水素同位体交換反応によって放出トリチウムの水蒸気成分(TO)が水素ガス成分(DT)へ転換される為である事が分かった。添加水素濃度と水蒸気成分の水素ガス成分への転換率の関係は熱力学的に予測されるものの ほぼ一致していた。
倉沢 利昌; 吉田 浩; 渡辺 斉; 竹下 英文; 宮内 武次郎; 松井 智明
JAERI-M 84-087, 55 Pages, 1984/05
トリチウム増殖材として最も有望視されている酸化リチウムの中性子照射下におけるトリチウム放出実験(VOM-15H)を実施した。実験は研究炉JRR-2の燃料領域垂直照射孔VT-10 (th = 1.010n/cm・ses、f = 1.010n/cm・ses)を利用して行った。照射試料として、真空燒結した円筒状ペレット(11mm10mmH、崇密度86%TD)を4個(全重量6.67g)を用いた。照射期間は1983年5月8月における4サイクルであり、実効照射量としLi燃焼度はそれぞれ5.910nut、0.24%(トリチウム生成量31.2Ci)に達した。照射温度の調節範囲は470~760 Cである。この報告書では、実験装置の概要、トリチウム放出特性、高濃度トリチウムの連続定量測定法、等について述べている。
中島 幹雄; 立川 圓造; 佐伯 正克; 荒殿 保幸
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 43(2), p.369 - 373, 1981/00
被引用回数:8 パーセンタイル:37.91(Chemistry, Inorganic & Nuclear)100Cから600Cまでの各温度で前処理したシリカゲルと未処理シリカゲルのカラムを用い、HTOをpulse-loadingした時のトリチウムの捕集機構を調べた。未処理および300C以下で処理したシリカゲルでは、HTO捕集後の加熱により、大部分のトリチウムが化学吸着水として放出される。これはH/T同位体交換反応が重要な役割を果している事を示す。400C以上の前処理シリカゲルに於いては、同位体交換反応とともに、OH基脱離表面(siloxyl group)のrehydrationが重要である。600C以下で脱離した表面のOH基は、再び水を吸着することによって、最終的には完全にrehydrationされる。
山林 尚道; 小野間 克行; 本石 章司; 山本 晧靖; 伊藤 太郎
JAERI-M 5320, 31 Pages, 1973/07
放射性水銀$、$Hgを含む水溶液と金属水銀との非均一系における同位体交換反応を利用して、大量の金属水銀を$、$Hgで標識する技術を確立した。同位体交換反応の最適条件は$、$Hgを含む0.07mol/l以下の硝酸水銀(II)-1N硝酸溶液と金属水銀の接触であった。この条件下で混合した場合、金属水銀と水銀イオンとの交換反応は10分間以内に平衡に達し、放射性水銀の金属水銀への移行率は99%以上であった。副反応として、硝酸第二水銀は硝酸第一水銀となり、溶液はさらに強い酸性を呈した。金属水銀中の水銀の自己拡散を検討し、計算で自己拡散係数を推定した。金属水銀は撹拌下で非常に速く均一混合されたが、撹拌容器が複雑になると均一混合に多くの時間を必要とした。これらのことを考慮して混合、定量分取装置を製作し、Hg400mCiと5kgの金属水銀を処理し、1本当りHg8mCi-水銀96gを含む製品を定常的に生産している。